TRAINING
#体幹#筋トレ#自宅トレーニング
HYROXのための体幹トレーニング — スレッド・キャリー・ランジ・疲労時のランで崩れない「幹」の作り方

HYROXの8種目のうち、体幹(胴体を安定させる筋群)が直接問われる種目は、実は半分以上あります。スレッドを押すときの姿勢、Farmers Carryで体が横に傾かないこと、サンドバッグを担いだランジで上体が倒れないこと、そして疲労した後半のランでフォームを保つこと——いずれも体幹が重要な役割を担います。この記事では、HYROXの動作ごとに体幹が「何をしているか」を整理し、週2回・15分で組める体幹トレーニングをまとめます。腹筋運動の回数を競う内容ではありません。
目次
01HYROXで体幹が担う4つの仕事
- 姿勢を保つ(抗屈曲):スレッドを押すときの前傾姿勢、Wall Ballsのキャッチで上体が潰れないこと。背中を丸めずに力を伝える
- 横に倒れない(抗側屈):Farmers Carryで左右の重りが揺れても、体が横に傾かないこと。実は左右別々に荷重がかかる場面は少なく、この種目は「両側均等」だが、歩行中の揺れを抑える役割は同じ
- ねじれない(抗回旋):Sled Pullでロープを引くとき、SkiErgで腕を振り下ろすとき、体がねじれて力が逃げないこと
- 力を伝える(連結):脚で生んだ力をスレッドや地面に伝える。体幹が緩むと、脚の力が途中で抜ける。疲労した後半のランで骨盤が落ち、歩幅が縮むのも体幹の疲労が一因
02種目別:体幹がどう使われるか
STATIONS8種目と体幹の役割(編集部の整理)
SkiErg
股関節から上体を前傾させ、脚・体幹・腕を連動させる。腰だけを丸めて引かず、腕だけに頼らない
Sled Push
前傾姿勢の保持。腹圧で胴体を固め、脚の力を腕からスレッドへ
Sled Pull
腰を落として体を後ろに倒す力で引く。腹圧と背中の張りで姿勢を保つ
Burpee Broad Jump
床から起き上がる、跳ぶ、着地する。すべてで体幹が「潰れない」ことが必要
Rowing
脚→体幹→腕の順に力を伝える。体幹が緩むと脚の力が腕に届かない
Farmers Carry
重りの揺れに耐えて真っすぐ歩く。肩をすくめず、胸を張る
Sandbag Lunges
肩に載せた重りで上体が前に倒れないよう耐える。深く沈んで立ち上がる
Wall Balls
スクワットの底で上体が潰れない。投げるときに体幹から力を伝える
03体幹トレーニングの原則:動かさない・耐える・運ぶ
HYROXでは、体幹を動かす働きと、姿勢を保つ働きの両方が必要です。ここでは姿勢の安定を中心に、次の3つの観点で練習を組みます。
- 動かさない(アイソメトリック):プランク系。姿勢を一定時間保つ。長さだけを追わず、呼吸を続けながらフォームを保てる時間で行う
- 耐える(抗○○):外から加わる力(重り、ケーブル、バンド)に対して、体幹がねじれたり倒れたりしないよう耐える
- 運ぶ(キャリー):重りを持って歩く。HYROXの動作に近い体幹トレーニングのひとつ。Farmers Carryそのものが体幹トレーニングでもある
- 「腹筋運動」は補助:上体起こしやクランチも腹筋を鍛える方法だが、それだけで競技に必要な動きをすべて練習できるわけではない。ほかの種目と組み合わせる
04基本5種目
BASIC器具がほぼ不要な基本5種目
1. フロントプランク
肘とつま先で体を一直線に。30〜60秒×3。腰が落ちたら終了
2. サイドプランク
横向きに肘で支える。左右各20〜45秒×2〜3。Farmers Carryの「横に倒れない」力
3. デッドバグ
仰向けで対角の手足を伸ばす。腰を床から浮かせない。左右各8〜10回×3。腹圧の練習
4. バードドッグ
四つ這いで対角の手足を伸ばす。体をねじらない。左右各8〜10回×3。背中側の安定
5. スーツケースキャリー
片手にダンベルやケトルベルを持って歩く。体を傾けない。左右各20〜30m×2〜3。片側の重りに対して横に傾かない練習になる
05HYROXの動作に近い応用4種目
- パロフプレス(ケーブルまたはバンド):横から引かれる力に対して、両手を前に押し出して耐える。左右各10回×3。Sled PullとSkiErgの「ねじれない」力
- ウォールプッシュ・ホールド:壁に手をつき、足が滑らず姿勢を保てる角度に体を傾け、壁へ力を加える。20〜30秒×3。Sled Pushの前傾姿勢を練習する補助種目。動くスレッドとは負荷が異なる
- フロントラック・ランジ(軽いダンベルを肩に):サンドバッグランジに近い負荷で、上体が倒れないよう耐えながらランジ。左右各8回×3。後ろ膝を床につける
- バックエクステンション(または軽いグッドモーニング):背中側の持久力。スレッドとRowingの前傾姿勢を支える。12〜15回×2〜3
06週2回・15分のメニュー
以下は種目と回数の例です。15分で行うなら、各日の候補から2〜3種目を選びます。慣れていない人は1〜2セットから始め、すべてを一度に行う必要はありません。
DAY A週の前半(15分)
フロントプランク
45秒×3(間30秒)
デッドバグ
左右各10回×3
スーツケースキャリー
左右各30m×2
パロフプレス
左右各10回×2
DAY B週の後半(15分)
サイドプランク
左右各30秒×3
バードドッグ
左右各10回×3
ウォールプッシュ・ホールド
30秒×3
フロントラック・ランジ
左右各8回×2
- 筋力練習の日の最後、またはランの後に組み込む。単独で行うなら、ウォームアップ後に
- フォームを保って余裕を持てるようになったら、保持時間・回数・重量のどれか1つを少しずつ増やす。疲労が残る週は増やさない
- 調整の一例として、本番2週前から量を減らす。減らす幅は普段の量と回復に合わせる。「レース前1週間の調整」
- 筋力練習全体の組み方は「筋力プログラム」、自宅で行うなら「自宅でできるHYROXトレーニング」
07ランとの組み合わせ
疲労した後半のランで骨盤が落ち、歩幅が縮む現象は、脚だけでなく体幹の疲労が関わる場合もあります。ランの後に体幹の種目を行う(疲労した状態で姿勢を保つ練習)、または複合練習のステーションの直後のランで「骨盤を立てる」「肩の力を抜いて自然に腕を振る」意識を持つことで、後半のフォームを保ちやすくなります。ランの技術は「HYROXのランニングガイド」を参照してください。
08やらなくてよいこと
- 腹筋運動を数百回:HYROXの動作には直結しない。時間は他の種目へ
- 不安定な器具の上での曲芸:バランスボールの上のスクワットなどは、HYROXの負荷と関係が薄い
- 体幹だけを週5回:週2回は始め方の一例。残りは走る・担ぐ・押す練習に
- 腰に痛みがあるのに続ける:痛みが出たら中止する。フォームや負荷が原因の場合もあるが、それだけとは限らない。痛みが続く場合は医療機関へ相談する。「HYROXのケガ予防」
あわせて読みたい:「HYROXのための筋力プログラム」、「Farmers CarryとSandbag Lunges攻略」、「種目別モビリティガイド」
出典・参考
Concept2:SkiErgの動作:参考資料
ACSM:2026年の筋力トレーニング指針:参考資料
Mayo Clinic:体幹の役割と運動:参考資料
HYROX公式ルールブック(Singles)8.1〜8.8 各ステーションの動作規定:HYROX Rulebook Singles(PDF)
※種目別の体幹の役割、トレーニング種目、メニューは、一般的なトレーニング理論に基づくROXNOW編集部の整理であり、公式の指導内容ではありません。
※本記事は一般的な情報提供であり、医学的助言ではありません。持病がある方、体調に不安がある方は医療機関に相談してください。
※規定・日程・価格は変更される場合があります。最新情報は必ずHYROX公式発表と出場大会のTechnical Briefingをご確認ください。ROXNOWは、HYROX World GmbHとは無関係の独立系情報メディアで、HYROXの公式サイトではありません。(情報確認日 2026.10.18)
Concept2:SkiErgの動作:参考資料
ACSM:2026年の筋力トレーニング指針:参考資料
Mayo Clinic:体幹の役割と運動:参考資料
HYROX公式ルールブック(Singles)8.1〜8.8 各ステーションの動作規定:HYROX Rulebook Singles(PDF)
※種目別の体幹の役割、トレーニング種目、メニューは、一般的なトレーニング理論に基づくROXNOW編集部の整理であり、公式の指導内容ではありません。
※本記事は一般的な情報提供であり、医学的助言ではありません。持病がある方、体調に不安がある方は医療機関に相談してください。
※規定・日程・価格は変更される場合があります。最新情報は必ずHYROX公式発表と出場大会のTechnical Briefingをご確認ください。ROXNOWは、HYROX World GmbHとは無関係の独立系情報メディアで、HYROXの公式サイトではありません。(情報確認日 2026.10.18)
