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HYROX創業者がXENOMに出資・取締役就任 — 「フィットネスの十種競技」XENOMとは何か、HYROXとどう違うのかを解説

執筆:ROXNOW編集部 更新日 2026.10.11
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HYROX創業者がXENOMに出資・取締役就任 — 「フィットネスの十種競技」XENOMとは何か、HYROXとどう違うのかを解説のイメージ

2026年10月7日、HYROXの創業者であるChristian Toetzke(クリスチャン・テツケ)氏とMoritz Fürste(モーリッツ・フュルステ)氏が、米国発の新しいフィットネス競技シリーズXENOM(ゼノム)に出資し、同社の取締役会に加わったことが発表されました。あわせてXENOMとHYROXは、マーケティング・イベント活性化・教育の分野で戦略的パートナーシップを結びました。「XENOMとは何か」「HYROXと何が違うのか」「日本のHYROX参加者に関係があるのか」——この記事では、公開情報をもとに、発表の要点からXENOMの競技内容・採点方式・2027年の展望までを整理します。

目次
  1. 発表の要点:何が起きたのか
  2. XENOMとは何か — 基本プロフィール
  3. 競技フォーマット:10種目を2日間で
  4. 採点方式:EPI(Elite Performance Index)
  5. Division・参加枠・参加費
  6. 2026年の歩みと2027年シーズン
  7. HYROXとXENOMはどう違うのか
  8. 当事者はどう語っているか
  9. なぜHYROX創業者がXENOMに関わるのか(編集部の見方)
  10. 日本のHYROX参加者にとって変わること・変わらないこと
  11. 今後のウォッチポイント

01発表の要点:何が起きたのか

XENOMが2026年10月7日(ロンドン発)に公式サイトで発表した内容と、米Athletech Newsの同日報道をあわせると、要点は次の4つです。

時系列で見ると、この発表は2026年9月8日に公表されたHYROXの株主構成の転換(Infrontが保有していた過半数株式を、L Cattertonが率いる投資家グループと創業者らが取得)の約1カ月後にあたります。HYROX創業者の2人は、HYROXの経営に引き続き関与しながら、別の競技シリーズにも出資者・取締役として関わる形になります。出資に用いた法人など、投資の詳細は公表されていません。なお、9月の株主転換の報道の際にも、業界メディアHybrid Fitness Mediaの取材に対してToetzke氏がXENOMへの関与に言及していたと報じられており、今回の発表では、XENOM公式が両氏の出資・取締役就任と、HYROXとの戦略的提携をあらためて公表しています。HYROXの株主転換については「HYROXの株主構成が転換」で解説しています。

用語の整理:発表文では、HYROXは世界最大級の参加型フィットネス競技、XENOMは「10種目で総合的な体力を測る競技」と位置づけられています。XENOMはHYROXの新Divisionや新フォーマットではなく、別会社が運営する別の競技シリーズです。

02XENOMとは何か — 基本プロフィール

XENOMは、2026年2月末に発表された新しいフィットネス競技シリーズです。自らを「The Decathlon of Fitness(フィットネスの十種競技)」と呼び、最大筋力・体操系(ジムナスティクス)・有酸素能力を10の固定種目で測り、1つの合計スコアで評価するという考え方を掲げています。公開情報から分かるプロフィールを整理します。

PROFILEXENOM 基本情報
名称・キャッチコピー
XENOM(ゼノム)。「The Decathlon of Fitness」「10 events. 4 divisions. 2 days. One score.」(公式サイト)
創業者・CEO
Keith Barlow氏。長年CrossFitの競技者として活動し、フィットネス・ウェルネス分野のPR会社Fittestの共同オーナー。Athletech Newsは「HYROXの成長に関わってきたPR分野の経営者」と紹介している
資金調達
2026年2月、1,500万ドル(15M USD)のシードラウンドを発表。主導したのはJeffrey Katzenberg氏(DreamWorks共同創業者)とSujay Jaswa氏が率いるWndrCo
CrossFitとの関係
CrossFitの「Partner Event Series」のライセンスを受けた大会として発表された。種目にはCrossFitで一般的な動作(スナッチ、ロープクライム、マッスルアップなど)が多く含まれる
主なパートナー
器具はRogue Fitnessが公式サプライヤー(初戦ダラスで新型マシン「Air Rhino」を初披露)。ロンドン大会ではReebokがフットウェア・アパレルのパートナー。公式サイトにはCrossFit、HWPO、Pliability、PRVNのロゴが掲載され、報道ではGatorade、Yetiの名前も挙がる
想定する参加者
発足時の報道では、CrossFit経験者などの「本格派(hardcore)」層が主な対象と紹介された。HYROXが広い一般層を取り込んできたのに対し、XENOMはより競技志向の層を狙うとされる
STRUCTURE大会の規模・運営の単位
1大会の参加枠
発表時点で1大会あたり2,000枠
ヒート構成
業界メディアの報道では、68人単位のヒートで会場を3つのゾーンに分けて進行するとされた(発表時の説明。大会ごとに変わる可能性あり)
参加形態
個人、またはペア(2人で種目を分担・協力する形式)。同性ペアは発表時の説明で、現在の募集区分は大会ごとに確認
会場
屋内アリーナ・コンベンション施設。2026年はダラス(Ford Center at The Star)、ロンドン、マイアミ(Miami Beach Convention Center)
運営の特徴
「スタジアム規模のグローバル競技シリーズ」を掲げ、種目・採点を全大会で標準化。公式の説明では、すべての大会で同じ10種目・同じ採点基準を用いる

Keith Barlow氏はAthletech Newsの取材で、XENOMを「フィットネス版のIronman(アイアンマン)」のような、誰もが同じ基準で挑戦できるグローバルな競技プラットフォームにしたいと語っています。HYROXが「8つのランと8つのステーションを一定の重量・距離で全世界共通にした」ことで成長したのと同じ発想を、より幅広い体力要素(最大筋力や体操系の技術を含む)に広げたもの、と理解すると分かりやすいでしょう。

03競技フォーマット:10種目を2日間で

XENOMの最大の特徴は、10の固定種目を2日間かけて順番にこなし、種目ごとの得点の合計で順位を決めることです。HYROXのように1本のレースをスタートからゴールまで連続して走るのではなく、陸上の十種競技のように「種目ごとに区切って測る」形式です。公式サイトに掲載されている10種目は次のとおりです(種目名は公式表記をもとにROXNOW編集部が日本語化。重量や細かな規定は大会ごとに公式発表を確認してください)。

EVENTS 001–005前半の5種目
001 1RM Snatch
スナッチの1回最大挙上重量(最大筋力)
002 Wall Walks + Rope Climbs
ウォールウォークとロープクライム(体操系・上半身の筋持久力)
003 60s Max Cal Echo Bike
エアバイク(Echo Bike)60秒の最大カロリー(無酸素パワー)
004 Barbell Cycling
バーベルの反復動作(筋持久力・テクニック)
005 2K Echo Ski + 3K Run
スキーエルゴ2,000m+ラン3,000m(有酸素持久力)
EVENTS 006–010後半の5種目
006 T2B / DB Hang Snatch / MU
トーズ・トゥ・バー、ダンベルハングスナッチ、マッスルアップの複合(体操系・全身)
007 5RM Rhino Pull
Rhino Pullの5回最大重量(筋力。Rogue製の器具を使う種目)
008 Burpees / Echo Ski / Echo Bike AMRAP
バーピー、スキーエルゴ、エアバイクの時間内最大反復(混合持久力)
009 Heavy Clean Ladder
重量が段階的に上がるクリーンのラダー(最大筋力)
010 HSPU / C2B / DB Lunge
ハンドスタンドプッシュアップ、チェスト・トゥ・バー、ダンベルランジの複合(体操系・脚)

HYROX参加者の視点で見ると、005(スキーエルゴ+ラン)や008(バーピー、エルゴ系のAMRAP)はHYROXの種目と重なる要素がありますが、001・007・009の最大筋力系、002・006・010の体操系(ロープクライム、マッスルアップ、ハンドスタンドプッシュアップ)は、HYROXにはない技術要素です。HYROXでもランに加えて8種目をこなす準備が必要です。一方、XENOMのRX・Eliteではウエイトリフティングや体操系の技術も得点を左右します。Intermediate・Foundationsでは動作や重量が調整されるため、全参加者に同じ高度な技術が求められるわけではありません。

04採点方式:EPI(Elite Performance Index)

XENOMの採点方式はEPI(Elite Performance Index)と呼ばれます。公式サイトの採点ページと業界メディアの解説をもとに整理すると、仕組みは次のとおりです。

HYROXでは総合タイムで順位を競い、ステーションごとのスプリットは分析のための補助情報です。XENOMでは逆に、種目ごとの得点が主役で、合計点が総合評価になります。そのため、ある種目が苦手でも他の種目で挽回できます。総合点を伸ばすには苦手種目の改善も重要ですが、「全種目で平均以上」が上位に入るための条件として定められているわけではありません。

注意:得点基準(各種目で1,000点に相当する記録)の具体的な値や、帯の境界が今後変わる可能性は否定されていません。公式サイトの最新情報を確認してください。

05Division・参加枠・参加費

Divisionは、2026年2月の発表時点ではElite・RX・Competeの3つでしたが、2026年10月11日に確認した公式「What is XENOM」では4つのDivisionが案内されています。ただし、10月7日の提携発表には従来の3区分の記述が残っているため、出場時は各大会の販売ページで選べる部門と条件を確認してください。

DIVISIONS公式サイト「What is XENOM」の説明をもとに整理(2026年10月時点)
Elite
招待制(invite only)。直接招待を受けた選手のみ
RX
上級者向け。リングマッスルアップ、キッピングのハンドスタンドプッシュアップ、重いバーベル重量に対応できる選手
Intermediate
発展途上の選手向け。同じ採点の枠組みのまま、動作をスケールし重量を軽くする
Foundations
誰でも参加可能。競技会が初めての人向けに、導入的な動作と重量で行う

Foundations Divisionの新設により、「本格派向け」という当初の打ち出しからは間口が広がっています。上記の参加費は初戦ダラスの発表時点の価格であり、現在の全大会に共通する料金ではありません。日本円での負担は為替や手数料でも変わるため、出場する大会の販売画面で確認してください。

062026年の歩みと2027年シーズン

XENOMは「Season 001」と銘打った最初のシーズンを2026年に始めました。発表時点(2026年2月)では米国と欧州で11大会を計画していると報じられましたが、実際に実施・予定されている大会は、公開情報で確認できる範囲では次のとおりです。

SEASON 0012026〜27年の大会(公式サイト・報道で確認できる範囲)
ダラス(米テキサス州フリスコ、Ford Center at The Star)
2026年6月27〜28日。初開催。Athletech Newsによると約400人弱の選手が出場。Hybrid Fitness Mediaは初日の完走者を372人(個人228人、ペア144人)と報じた
ロンドン
2026年8月29〜30日。Reebokが公式フットウェア・アパレルパートナー。参加者数が想定を下回ったとする業界メディアの報道がある
マイアミ(Miami Beach Convention Center)
2026年12月19〜20日(予定)
マラガ(スペイン)
2027年1月16〜17日(予定)。会場はTrade Fair and Congress Center of Malaga(FYCMA)
パリ
日程未定(公式サイトにTBCとして掲載)

公式発表では、2027年が「初の本格的な国際シーズン(first full international season)」と位置づけられています。2026年9月の業界メディアの報道では、2027年前半にさらに3〜5大会が加わる見込みとされていました。また、Barlow氏はダラス大会後のAthletech Newsの取材に対し、将来的には北米・欧州・アジアで年間30〜60大会を目指すと語っています。ただし、2026年10月11日に確認した公式の大会・チケット一覧では、アジアや日本の具体的な開催予定は確認できませんでした。

07HYROXとXENOMはどう違うのか

両者は「標準化されたフィットネス競技」という点で共通していますが、設計思想はかなり異なります。公開情報をもとに、主な違いを項目ごとに並べます。

競技の構造
HYROX
1kmラン×8と8つのステーションを交互に、スタートからゴールまで連続して行う1本のレース
XENOM
10の固定種目を2日間かけて順番に実施。種目ごとに区切って測る
評価の軸
HYROX
完走タイム(1つの数字)。スプリットは補助情報
XENOM
種目ごとの得点の合計(EPI)。部門・カテゴリー別の基準で総合力を評価
求められる能力
HYROX
走力と筋持久力が中心。高度なウエイトリフティング技術や体操系の技術は不要
XENOM
最大筋力、体操系の技術、有酸素能力。動作の難度と重量は部門で異なる
主な参加層
HYROX
初心者から競技者まで幅広い。Open/Pro、Doubles/Relayなどがあり、年代別にも順位を競う
XENOM
CrossFit経験者などに向けた競技として登場。現行の公式紹介にはElite(招待制)/RX/Intermediate/Foundationsの4区分があり、初心者向けも案内。個人・ペアの条件は各大会で確認
1大会の規模
HYROX
2025/26シーズンは100大会以上で参加者140万人超(Infront発表値)。正確な大会数や参加者数の集計方法は示されていない
XENOM
1大会2,000枠(発表時点)。初戦ダラスの出場者は約400人弱(Athletech News)
参加費の目安
HYROX
大会・部門・販売時期により異なる。出場する大会の販売画面で確認
XENOM
初戦ダラスの発表時は個人500米ドル(早期販売)、ペア1人450米ドル。現在の料金は大会別に確認
日本での開催
HYROX
2027年1月21〜25日大阪、4月16〜18日名古屋(公式発表)
XENOM
2026年10月11日の公式一覧では確認できず
CrossFitとの関係
HYROX
独立したブランド。CrossFitのライセンスは受けていない
XENOM
CrossFitのPartner Event Seriesのライセンスを受けた大会として発表

整理すると、HYROXは「ランと8種目を組み合わせて総合タイムを競うレース」、XENOMは「10種目の得点で総合的な体力を測る競技会」です。今回の提携で両者が1つになるわけではなく、公式発表でも「フィットネスを世界最大のスポーツにする」という目標を共有する別々のシリーズとして語られています。

08当事者はどう語っているか

公式発表文とAthletech Newsの記事から、3人の発言の要旨を紹介します(引用は短く、要旨はROXNOW編集部の訳・要約です)。

Athletech Newsによると、Barlow氏はもともと「本格派の選手向けの競技会がない」という市場の空白を埋めるためにXENOMを創設したと説明しています。また、2026年9月の業界メディアの報道では、Toetzke氏がHYROXとXENOMの関係を「空白を埋める」ものとして語ったとされています。HYROXが取り込んできた一般層と、CrossFit的な高強度競技を求める層の間にある空白を、2つのシリーズで分担して埋めるという考え方だと読めます。

09なぜHYROX創業者がXENOMに関わるのか(編集部の見方)

ここからはROXNOW編集部の考察です。公表されていない意図を断定するものではありません。

一方で、注意すべき点もあります。HYROXの創業者が別の競技シリーズの取締役を兼ねることで、将来的にHYROXの大会やコミュニティがXENOMの集客に使われる可能性は考えられます。それが参加者にとってメリット(選択肢が増える)になるのか、HYROX本体の体験を変えるのかは、現時点では分かりません。

10日本のHYROX参加者にとって変わること・変わらないこと

HYROXで「もっと強くなりたい」「次の目標が欲しい」と感じている人にとって、XENOMは将来の選択肢の一つになりうるものです。ただし現時点では、日本からの参加は遠征を伴い、出場部門に応じた技術の準備も必要です。HYROX内で次の目標を探す方法は「HYROXの次の目標マップ」「世界選手権・Elite15・Challenger15への道」で整理しています。

11今後のウォッチポイント

ROXNOWでは、HYROX公式およびXENOM公式の発表を確認したうえで、必要に応じてこの記事を更新します。HYROXの事業面の背景は「HYROXはなぜ世界で急成長しているのか」「HYROXの歴史」もあわせてご覧ください。

あわせて読みたい:「HYROXの株主構成が転換」、「HYROXはなぜ世界で急成長しているのか」、「HYROXと他の競技の違い」

出典・参考
XENOM公式発表「HYROX Founders Invest in XENOM and Form Strategic Partnership」(2026年10月7日):xenom.global/news/xenom-x-hyrox-announcement
XENOM公式:10種目/大会一覧/チケット一覧(マラガ日程)/ロンドン大会案内/Reebokとの提携発表
Athletech News「Hyrox Founders Invest in Xenom as Fitness Competitions Strike Partnership」(2026年10月7日):athletechnews.com
XENOM公式「What is XENOM」(Division・2日間の種目構成):xenom.global/what-is-xenom/公式「Scoring」(EPIの計算式・同点時の扱い):xenom.global/scoring
Athletech News「Xenom Secures $15M for Elite Fitness Competition Backed by Jeffrey Katzenberg’s WndrCo」(2026年2月27日、シードラウンド・CrossFit Partner Event Series・Rogue Fitness・参加枠と参加費・Season 001の計画):athletechnews.com
Athletech News「At First Xenom Event, Enthusiasm Grows for the Future of Competitive Fitness」(2026年6月30日、ダラス大会の出場者数・賞金・今後の大会目標):athletechnews.com
Hybrid Fitness Media:発足時の競技形式・参加費(2026年3月1日)/当初のEPIの帯(3月27日)/ダラス初日の完了者数(6月28日)/HYROX創業者へのインタビュー(9月8日)
Infrontプレスリリース(2026年9月8日、HYROXの株主構成転換・2025/26シーズンの大会数と参加者数):infront.sport
※人名のカタカナ表記はROXNOW編集部によるものです。発言の引用は公式発表文からの短い抜粋で、要旨はROXNOW編集部の要約・訳です。
※本記事はROXNOW編集部が公開情報をもとに独自に執筆した解説記事です。ROXNOWはHYROXに特化した非公式・独立系の日本語メディアです。出資額・契約条件など非公開の情報は含みません。(情報確認日 2026.10.11)
ROXNOW編集部

ROXNOW編集部

ROXNOW編集部が公式資料等を確認し、独自に整理・執筆しています。