HYROX 2026/27ルール変更まとめ【2026年9月更新】

HYROXの2026/27シーズンの公式ルールブックが、2026年9月版に更新されています。この記事では、同じ2026/27シーズンの6月24日版と9月14日版を比較し、9月版で追記・削除された内容を中心に解説します。対象はSingles(個人)とDoubles(2人組)です。前シーズンに当たる2025/26シーズンからの変更は、末尾の補足に分けています。
012026年9月版のルールブックで更新された内容
6月版と9月版を比較すると、主な更新は次のとおりです。新しい説明の追加だけでなく、既存のルールを分かりやすくする追記や、重複した文章の整理も含まれます。
- Singles・Doubles共通:医療上の中止。血液や嘔吐物などが衛生・安全上のリスクとなる場合、競技責任者が選手をレースから外し、DNF(未完走)として記録する説明が加わりました。
- Singles・Doubles共通:Lungesの担ぎ方。罰則説明に、サンドバッグを「両肩で」支えることが明記されました。Doublesでは、通常の動作違反に対する警告と15秒加算の手順も種目のページに追記されています。
- Singles・Doubles共通:エルゴのペナルティ一覧。ハンドルに触る前の足位置を理由とする15秒加算の項目が削除されました。DoublesのRowingでは、開始姿勢や終了確認に関する文章も整理されています。
- そのほかの表記整理。SinglesのBurpee Broad Jumpでは手を置く位置などの表現、Doublesでは年齢区分表の脚注が整理されました。
02衛生・安全上の理由で競技を中止する場合の扱いを追記
Singlesルールブック第12.3節とDoublesルールブック第12.3節に、医療・衛生上の理由による競技中止の説明が追加されました。
選手の血液、嘔吐物、尿、便が、本人やほかの選手の健康・安全、または会場の衛生に関わるリスクとなる場合、レースディレクター(競技責任者)は医療上の理由でその選手をレースから外せます。この場合、結果はDNF(Did Not Finish=未完走)として記録されます。
これは「嘔吐したら自動的に失格」という規定ではありません。周囲への影響を含めて競技責任者が中止を判断すること、その結果をDNFとして記録することが、9月版で明記されました。
DQ(Disqualification=失格)はDNFとは別の区分です。DQを告げられた選手がそのレースを続行できないことは、両ルールブックの第12.4節に定められています。この続行禁止は2025/26シーズンのルールブックにもあり、9月に追加されたものではありません。
03Lunges:「両肩で支える」を罰則説明にも明記
Singlesルールブック第8.7節とDoublesルールブック第8.7節の罰則説明に、「両肩で」という言葉が加わりました。
- 6月版の罰則説明:動作中の選手がサンドバッグの重さを支え続け、地面、柵、足などに置いて負荷を逃がしてはいけない。違反1回につき15秒加算。
- 9月版の罰則説明:動作中の選手が両肩でサンドバッグの重さを支え続ける、と担ぐ位置まで明記。地面などに置いて負荷を逃がした場合の15秒加算は継続。
9月版で初めてペナルティの対象になった、という変更ではありません。Singlesの6月版には、動作基準の中に両肩で担ぐ条件がすでにありました。Doublesの6月版にも、バッグを肩から下ろした場合は警告なしで15秒加算する説明があります。9月版では、罰則説明の中でも「両肩で支える」とはっきり書かれました。
Doublesでは、通常の動作違反への警告手順も追記
Doublesの9月版では、Lungesの罰則説明に「1回目は警告、2回目は15秒加算」という2項目が追加されています。これは6月版でも第12.2節にあった基本的な手順を、Lungesのページにも記載したものです。
通常の動作違反に対する警告手順と、バッグを地面などに置いて負荷を逃がす違反の「1回ごとに15秒加算」は、分けて確認してください。9月版でも後者の罰則は残っています。
04エルゴ:開始前の足位置に関する15秒加算を一覧から削除
6月版のペナルティ一覧には、ハンドルに触る前に足がSkiErgのベース、またはRowingのフットプレートに乗っていない場合、違反1回につき15秒を加算する項目がありました。9月版では、Singlesルールブックのペナルティ一覧、Doublesルールブックのペナルティ一覧の両方から、この項目が削除されています。
「ハンドルに触る前の足位置」を理由に一律15秒を加算する独立した項目は、9月版の一覧にはありません。ただし、足位置を含む動作違反がすべてペナルティの対象外になったわけではありません。
例えば、Singles・Doublesとも、SkiErgの運動中に足がベース外の床に触れることは違反です。種目の本文には、1回目は警告、2回目は15秒加算、その後も違反ごとに15秒加算する規定が残っています。「エルゴでは足をどこに置いてもよい」と受け取らないようにしましょう。
DoublesのRowingでは、開始姿勢と終了確認の文章も整理
Doublesルールブック第8.5節では、6月版にあった「足をフットプレートに乗せ、シートに座ってからハンドルを握る」という一文などが削除されています。終了時に手を挙げてジャッジの確認を求める項目や、確認後に器具を離れる項目も整理されました。
一方、1,000mの完了とジャッジの確認を受けてから器具を離れるという条件は、9月版の同じ節に残っています。項目数が減ったことを、終了確認が不要になったという意味で捉えないでください。
05Burpee Broad Jumpなどの説明を整理
Singlesルールブック第8.4節では、手を床に置いた後は前へ「ずらしたり、動かしたり」できない、と表現が補われました。足を前へ戻す際は手の指先を越えないこと、2回目以降のバーピーで手を置く位置を測る基準が前足のつま先であることも、文章を整理して説明しています。
手を置く位置の30cm、ジャンプ時の左右の足先の前後差5cmという数値は、6月版から変わっていません。これらの基準が9月に新設されたわけではありません。
Doublesでは、ルールブック第4.2節の年齢区分表にあった「Proは55〜59歳まで」という脚注が削除され、60歳以上の世界選手権出場条件の注記が次ページにまとめられました。通常大会では80歳以上を含む年代でもProに出場できるという本文は、6月版にもあります。9月に出場対象年齢が初めて広がった、という説明はできません。
06補足:9月の変更ではない内容
以下は、比較した2025/26シーズンのSingles・Doublesルールブックと、2026/27シーズンの6月版ルールブックとの違い、または2025/26シーズンから続く規定です。今回の9月版で初めて変わった内容とは分けて確認してください。
- 種目の距離・回数不足によるDQ(失格):2025/26 Singlesルールブックのペナルティ一覧では、スレッドのレーン不足とFarmers Carryの周回不足は1本・1周につき3分、Wall Ballsの回数不足は1回につき15秒、エルゴの距離不足は最低10秒から失格までの扱いでした。2026/27 Singlesルールブックの6月版では、これら5項目がすべて「ステーション未完了による失格」と記載されています。2025/26シーズンにも、種目を丸ごと省略した場合などの失格規定はありましたが、2026/27シーズンでは距離・回数が一部足りない場合の罰則も、一覧で失格と明記されました。
- Burpee Broad Jumpの足先の前後差5cm:2025/26 Singlesルールブックは両足を平行にそろえるよう求めていました。2026/27 Singlesルールブックの6月版では、両足同時に踏み切り・着地する条件を保ちながら、前後差を最大5cmまで認めています。
- SkiErgの足位置とRowingの休み方:SkiErgで一時的に足が浮くことは、2025/26 Singlesルールブックでも認められていました。2026/27 Singlesルールブックの6月版は、ジャンプ後にベース上へ着地し、床に触れない条件を詳しく説明しています。Rowingは、2025/26 Singlesルールブックでは足をフットプレート上に保つ規定でしたが、2026/27 Singlesルールブックの6月版では、ハンドルをホルダーに戻し、座ったまま足を外して休めるようになっています。
- Lungesでバッグを下ろした場合の罰則:2025/26 Singlesルールブックは1回目が15秒加算、2回目が失格でした。2026/27 Singlesルールブックの6月版では、違反1回につき15秒加算に変わっています。これと、9月版の「両肩で」という追記は別の変更です。
- Doublesの「5秒以内」の記載:2025/26 Doublesルールブックにはありましたが、2026/27 Doublesルールブックの6月版ですでに削除されています。2人で一緒に走り、ステーションにも一緒に出入りする規定は継続しています。休む側が立った状態を保つ規定も、6月版からあります。
追い越し、Wall Ballsのデジタル表示、スタートトンネル、耳栓・スマートグラスの記載も、今回比較した6月版と9月版の間では変わっていません。9月版の更新点としては扱っていません。
出場前には、最新の公式ルールブックと、出場大会のTechnical Briefing(競技説明)を確認してください。本記事はSingles・Doublesを対象にしており、RelayやAdaptiveの変更を比較したものではありません。
あわせて読みたい:「HYROXのルールとペナルティ」、「Doubles攻略」、「HYROXの8種目」
2026/27シーズン・9月14日作成/更新:HYROX公式 Singlesルールブック、HYROX公式 Doublesルールブック
比較用の2026/27シーズン・6月24日版:Singlesルールブックの保存版。Doublesは同日作成の公式PDF「26_27_HYROX_RulebookDoubles_EN_Final_240626」(編集部保管)と比較。
補足の比較用2025/26シーズン:Singlesルールブックの保存版、Doublesルールブックの保存版
※本記事の6月版・9月版は、PDF内の作成・更新日時に基づく呼び方です。競技規則は変更される場合があります。出場前に最新の公式情報をご確認ください。(情報確認日 2026.09.23)
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