エルゴ2種攻略(SkiErg・Rowing)— リズムマシンは「引く」と「戻る」を分ける

SkiErg(第1種目)とRowing(第5種目)は、どちらもフライホイール式のエルゴメーターで行う1,000mです。この2種目には共通する原則があります。それは「パワーを出す局面」と「回復する局面」を明確に分けること。エルゴをリズムよく使えるかどうかで、心拍管理とレース全体の余力が変わります。
- 1. エルゴ共通の原則 — フライホイールとリズム
- 2. SkiErg攻略 — スクワットではなくヒンジ
- 3. Rowing攻略 — パワーの主役は脚
- 4. レースでの使い方 — 2種目とも「抑える」が正解
01エルゴ共通の原則 — フライホイールとリズム
エルゴメーターはフライホイール(はずみ車)を回す機械です。回転が乗っているほど軽く引け、失速すると重くなる。つまり大事なのは、1回ごとの入力を強く・無駄なく行い、回転を「途切れさせない」ことです。ストローク数を上げてせわしなく動くより、1ストロークの質を上げて、戻り局面を回復に使う方が効率的です。
- 出力は一方向に:引く局面に力を集中し、戻る局面は脱力して呼吸を整える。
- ダンパー設定は事前に決める:本番で迷わないよう、練習で自分の設定を確定しておく。会場の初期設定は6で、競技中は実際に運動している選手が必要に応じて何度でも調整できます。
- モニターは1,000mのペース表示で管理:飛ばしすぎの検知が目的。目標は「フルレースで維持できるペース+余裕」。
02SkiErg攻略 — スクワットではなくヒンジ
SkiErgで失速する典型は、腕の力だけで引いてしまうことです。この種目の主役は体幹と股関節。高い位置から、体幹を固めたまま股関節を折りたたむ(ヒンジ)動きで体重をケーブルに乗せ、肘を下方向へ引き込みます。フィニッシュは腰の横あたりで十分で、すねの近くまで引き切る必要はありません。深く引きすぎるのは、しゃがみ込む「スクワット型」になっているサインです。
- 軌道は直線:ケーブルはプーリーへの最短経路=まっすぐ。腕を外へ大きく回す動きは、隣と近接する本番のステーションでは使えません。
- トップで一呼吸:手を上げ切った位置で吸い、引き下ろしで吐く。呼吸とストロークを同期させます。
- 練習ドリル:膝立ちでSkiErgを引くと、体重に頼れないぶん体幹と広背筋の使い方が身につきます。導入期におすすめ。
03Rowing攻略 — パワーの主役は脚
ローイングの出力配分は、おおまかに脚6割・体幹2割・腕2割と言われます。腕で漕ぐ意識を捨て、「かかとで押す」ことから動作を始めるのが第一歩です。順序も決まっています。押す局面は脚→体幹→腕、戻る局面は腕→体幹→脚。上体の前後動は小さく(時計の針で11時〜1時程度)、後ろへ寝すぎないこと。
- ストロークレートを上げすぎない:高レートで小刻みに漕ぐのは消耗が速い典型パターン。1本を強く、戻りをゆっくり。
- ここは「座れる5分」:レース内で唯一座れる種目。心拍を1段下げる回復区間として設計するのが定石です。
- 完了時は挙手:規定距離に達したら腕を上げてジャッジの確認を受けてから離脱します。
04レースでの使い方 — 2種目とも「抑える」が正解
SkiErgは最初の種目で気持ちが入りやすく、Rowingは中盤で「取り返したく」なる位置にあります。しかしどちらも、全力を出して得られる短縮は数十秒程度。その代償に後半のラン・ランジ・Wall Ballsが崩れれば、失う時間は分単位です。エルゴ2種は「レースペースの8割で、フォームと呼吸を維持する区間」と割り切りましょう。全体の配分は「8種目完全解説」を参照してください。
HYROX公式サイト・公式ルールブック(種目規定・完了合図):26/27 Singles Rulebook(PDF)
※フォーム・配分は一般的なエルゴメーター指導の原則に基づく編集部の見解です。(情報確認日 2026.08.22)
